モバイルゲーミングPCは、持ち運びながら高性能なゲーム体験ができるデバイスとして、ゲーマーの間で人気が高まっています。2025年現在、市場には多くの選択肢があり、それぞれが異なる特徴と強みを持っています。本記事では、主要なモバイルゲーミングPCの性能、価格、携帯性を詳しく比較し、あなたに最適な1台を見つけるためのガイドをお届けします。
モバイルゲーミングPCを選ぶ際の重要なポイント
CPU性能の重要性
モバイルゲーミングPCの性能を大きく左右するのがCPU(中央処理装置)です。2025年時点で主流となっているのは、AMD Ryzen Z1 ExtremeやAMD Ryzen AI 9 HX 370、そしてIntel Core Ultraシリーズといった高性能プロセッサーです。これらのCPUはモバイル向けに最適化されており、消費電力を抑えながらもAAAタイトルと呼ばれる大型ゲームも快適に動作させることができます。
AMD Ryzen Z1 Extremeは実績のあるプロセッサーで、安定した性能を提供します。一方、AMD Ryzen AI 9 HX 370は最新世代のプロセッサーであり、より高い処理能力を備えています。Intel Core Ultraシリーズは、Intelの最新技術を採用しており、独自の強みを持つ選択肢として注目されています。
GPU性能とグラフィック処理
GPU(グラフィック処理装置)は、ゲームの映像品質とフレームレートに直結する重要な要素です。モバイルゲーミングPCに搭載されるGPUは、CPUに統合されたものと独立したものの2種類があります。
AMD RDNA3やRDNA2アーキテクチャを採用したGPU、Intel Arc Xe-LPGなど、各メーカーが高性能なグラフィック処理を実現するために工夫を凝らしています。これらのGPUは、高解像度でのゲームプレイや、複雑なグラフィック処理を必要とするゲームでも安定したパフォーマンスを発揮します。
メモリ容量の選択
快適なゲーム体験には、十分なメモリ(RAM)が必要です。現在のモバイルゲーミングPCは、16GB、24GB、32GBといった複数のメモリ構成が用意されています。
16GBは基本的なゲームプレイに対応できますが、複数のアプリケーションを同時に実行したい場合や、より重いゲームをプレイする場合は、24GB以上のメモリを搭載したモデルがおすすめです。LPDDR5やLPDDR5Xといった高速メモリ規格を採用したモデルは、さらに快適な動作を実現します。
バッテリー容量と駆動時間
モバイルゲーミングPCの利点は、どこでもゲームができることです。そのため、バッテリー容量と実効駆動時間は重要な選択基準となります。
バッテリー容量は50Wh前後から80Whを超えるモデルまで様々です。一般的に、容量が大きいほど長時間のゲームプレイが可能になります。ゲーム時の実効駆動時間は、モデルによって2時間から6時間程度と大きく異なるため、自分の使用パターンに合わせて選ぶことが大切です。USB-C PD対応の充電方式を採用したモデルは、汎用の充電器で対応できるため、利便性が高いです。
ディスプレイサイズと解像度
ゲームの没入感に大きく影響するのがディスプレイです。モバイルゲーミングPCのディスプレイサイズは、7インチから8.8インチ程度が一般的です。
7インチは携帯性に優れており、8インチ以上は画面の大きさによるゲーム体験の向上が期待できます。解像度はWUXGA(1920×1200)やそれ以上のモデルが多く、高い画質でゲームを楽しむことができます。リフレッシュレートが120Hz以上のディスプレイを搭載したモデルは、より滑らかで快適なゲーム体験を提供します。
重量と携帯性
モバイルゲーミングPCを選ぶ際、重量は見落とせない要素です。長時間持ち運ぶことを考えると、軽いモデルほど利便性が高くなります。
現在のモバイルゲーミングPCは、550g程度の軽量モデルから800g前後のモデルまで様々です。また、本体の厚さや形状も携帯性に影響します。クラムシェル型(折りたたみ式)のモデルは、コンパクトに収納できるため、バッグへの収まりが良いという利点があります。
2025年の主要モバイルゲーミングPC比較
ASUS ROG Ally X
ASUS ROG Ally Xは、モバイルゲーミングPC市場で高い評価を受けているモデルです。このモデルは、AMD Ryzen Z1 Extremeプロセッサーを搭載し、24GBの大容量メモリと1TB SSDを備えています。
特に注目すべきは、80Whの大容量バッテリーで、ゲーム時に約3~5時間の駆動が可能です。これにより、外出先での長時間のゲームプレイが実現できます。Windows 11を搭載しており、Steamをはじめとする様々なPCゲームに対応しています。
操作性に優れたコントローラーレイアウトと、拡張性の高い設計が特徴です。USB-C PD対応の充電方式により、汎用の充電器での充電が可能です。価格は約139,800円で、性能と価格のバランスが取れたモデルとして多くのユーザーに選ばれています。
Steam Deck OLED
Steam Deck OLEDは、携帯性とコストパフォーマンスを重視するユーザーに最適なモデルです。このモデルは、AMD APU(RDNA2アーキテクチャ)を搭載し、内蔵GPUでゲーム処理を行います。
OLEDディスプレイを採用することで、高いコントラストと色再現性を実現しており、ゲームの映像美を存分に楽しむことができます。バッテリー容量は50Whで、ゲーム時に約3~6時間の駆動が可能です。
Steam Deck OLEDの大きな利点は、シンプルで直感的なUIです。SteamOSというLinuxベースのOSを採用しており、Steamのゲームライブラリに直接アクセスできます。価格は8万円台からと、他のモデルと比較して手頃であり、モバイルゲーミングPCの入門機として人気があります。
MSI Claw 8 AI+
MSI Claw 8 AI+は、Intel Core Ultra 7 258Vプロセッサーを搭載した高性能モデルです。このモデルは、Intel独自のArc 140V GPUを備えており、Intelの最新技術を活用したゲーム体験を提供します。
32GBのLPDDR5Xメモリと1TB SSDを搭載し、複数のアプリケーションの同時実行やゲームのロード時間短縮に対応しています。8インチのWUXGA液晶ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートに対応し、滑らかなゲーム画面を実現します。
重量は約795gで、携帯性と性能のバランスが取れています。バッテリー容量は53Whで、ゲーム時に約2~4時間の駆動が可能です。価格は約149,800円で、高性能を求めるユーザーに適したモデルです。
Lenovo Legion Go
Lenovo Legion Goは、バランスの取れた設計が特徴のモバイルゲーミングPCです。このモデルは、AMD Ryzen Z1 Extremeプロセッサーを搭載し、安定した性能を提供します。
バッテリー容量は49Whで、ゲーム時に約2.5~4時間の駆動が可能です。コンパクトな設計により、携帯性に優れており、バッグやポケットに収納しやすいサイズとなっています。
Windows 11を搭載しており、様々なPCゲームに対応しています。USB-C PD対応の充電方式により、外出先での充電も容易です。価格帯は15万円前後で、性能と携帯性を両立させたいユーザーに適しています。
GPD WIN MINI 2025
GPD WIN MINI 2025は、最軽量クラスの携帯特化型モデルです。重量は約555gで、モバイルゲーミングPC市場で最も軽いモデルの一つです。
AMD Ryzen AI 9 HX 370またはRyzen 7 8840Uプロセッサーを選択でき、16GB~32GBのメモリとSSDを搭載しています。7インチの120Hzディスプレイにより、コンパクトながら高品質なゲーム体験を実現します。
特筆すべきは、クラムシェル型の設計と物理キーボードの搭載です。これにより、ゲーム以外の作業も効率的に行うことができます。折りたたみ式の設計により、バッグへの収納性が優れています。最高の携帯性を求めるユーザーに最適な選択肢です。
OneXFly F1 Pro
OneXFly F1 Proは、高性能を求めるユーザー向けのモデルです。AMD Ryzen 7 8840Uプロセッサーを搭載し、RDNA3アーキテクチャのGPUにより、高いグラフィック処理能力を実現しています。
このモデルは、約3000円程度の価格帯に位置しており、高性能な構成を備えています。大容量のメモリとストレージにより、複数のゲームの同時実行や大容量ゲームのインストールに対応しています。
拡張性に優れた設計により、将来的なアップグレードにも対応できます。性能重視で、長期間使用することを考えているユーザーに適しています。
用途別のおすすめモデル選択ガイド
コストパフォーマンス重視の場合
予算を抑えながら、十分なゲーム体験を求めるユーザーには、Steam Deck OLEDがおすすめです。8万円台という手頃な価格で、高品質なOLEDディスプレイと安定した性能を備えています。Steamのゲームライブラリへの直接アクセスにより、多くのゲームを楽しむことができます。
性能と拡張性を重視する場合
高い性能と将来的な拡張性を求めるユーザーには、ASUS ROG Ally Xが最適です。24GBメモリ、1TB SSD、80Whバッテリーという充実した構成により、長期間にわたって快適なゲーム体験を提供します。Windows 11により、様々なアプリケーションにも対応しています。
携帯性を最優先する場合
どこへでも気軽に持ち運びたいユーザーには、GPD WIN MINI 2025がおすすめです。555gという軽量設計と、クラムシェル型の折りたたみ式により、バッグへの収納が容易です。物理キーボードの搭載により、ゲーム以外の作業も効率的に行えます。
最新技術を体験したい場合
Intel Core Ultraシリーズなど、最新のプロセッサー技術を体験したいユーザーには、MSI Claw 8 AI+が適しています。32GBメモリと高性能なIntel Arc GPUにより、最新ゲームも快適にプレイできます。
モバイルゲーミングPCの性能比較表
以下の表は、主要なモバイルゲーミングPCの主要スペックを比較したものです。
| モデル名 | CPU | メモリ | ストレージ | バッテリー容量 | ゲーム時駆動時間 | ディスプレイサイズ | 重量 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ASUS ROG Ally X | AMD Ryzen Z1 Extreme | 24GB | 1TB SSD | 80Wh | 約3~5時間 | 7インチ | 約600g | 約139,800円 |
| Steam Deck OLED | AMD APU(RDNA2) | 16GB | 512GB/1TB | 50Wh | 約3~6時間 | 7.4インチ | 約550g | 8万円台 |
| MSI Claw 8 AI+ | Intel Core Ultra 7 258V | 32GB | 1TB SSD | 53Wh | 約2~4時間 | 8インチ | 約795g | 約149,800円 |
| Lenovo Legion Go | AMD Ryzen Z1 Extreme | 16GB | 512GB | 49Wh | 約2.5~4時間 | 8.8インチ | 約約680g | 15万円前後 |
| GPD WIN MINI 2025 | AMD Ryzen AI 9 HX 370 | 16GB~32GB | 1TB~2TB | 容量未公開 | 未公開 | 7インチ | 約555g | 未公開 |
| OneXFly F1 Pro | AMD Ryzen 7 8840U | 16GB~32GB | 1TB~2TB | 容量未公開 | 未公開 | 7インチ | 未公開 | 約3000円前後 |
ゲームジャンル別の推奨スペック
軽量ゲーム向けの推奨スペック
インディーゲームやクラシックゲームなど、軽量なゲームをプレイする場合は、AMD Ryzen Z1 Extreme程度のCPUと16GBのメモリがあれば十分です。Steam Deck OLEDなどのエントリーレベルのモデルでも快適にプレイできます。
中程度の負荷のゲーム向け
一般的なAAAタイトルをプレイする場合は、24GBのメモリと高性能なGPUを備えたモデルがおすすめです。ASUS ROG Ally XやLenovo Legion Goなどが適しています。
最新の高負荷ゲーム向け
最新の大型ゲームを高画質でプレイする場合は、32GBのメモリと最新世代のプロセッサーを搭載したモデルが必要です。MSI Claw 8 AI+やOneXFly F1 Proなどが適しています。
購入時の注意点とアドバイス
保証とサポート体制の確認
モバイルゲーミングPCは高価な製品であるため、保証期間とサポート体制を確認することが重要です。メーカーによって保証期間や対応内容が異なるため、購入前に詳細を確認しましょう。
アクセサリーの準備
モバイルゲーミングPCを快適に使用するためには、保護ケースや画面保護フィルムなどのアクセサリーの準備がおすすめです。また、長時間のゲームプレイを考えている場合は、モバイルバッテリーや急速充電器の購入も検討しましょう。
ゲームの互換性確認
特にSteam Deck OLEDなどのLinuxベースのOSを採用したモデルを選ぶ場合は、プレイしたいゲームの互換性を事前に確認することが大切です。Steamのプロフィール機能で、各ゲームの互換性情報を確認できます。
実際に触れて確認する
可能であれば、購入前に実際にモデルを手に取って確認することをおすすめします。重量感、操作性、ディスプレイの見え方など、実際の使用感を確認することで、より満足度の高い選択ができます。
モバイルゲーミングPCの今後のトレンド
プロセッサー技術の進化
2025年のモバイルゲーミングPC市場では、AMD Ryzen AI 9シリーズやIntel Core Ultraシリーズといった最新世代のプロセッサーが主流になりつつあります。これらのプロセッサーは、AI処理能力を備えており、将来的なゲーム体験の向上が期待されています。
バッテリー技術の向上
バッテリー技術の進化により、より大容量で軽量なバッテリーの搭載が進んでいます。これにより、長時間のゲームプレイが可能になり、モバイルゲーミングPCの利便性がさらに向上することが期待されています。
ディスプレイ技術の発展
OLEDやミニLEDなど、高品質なディスプレイ技術がモバイルゲーミングPCにも採用されるようになっています。これにより、より美しく、より没入感のあるゲーム体験が実現されています。
まとめ
モバイルゲーミングPCは、持ち運びながら高性能なゲーム体験ができる優れたデバイスです。2025年現在、市場には多くの選択肢があり、それぞれが異なる特徴と強みを持っています。CPU性能、GPU性能、メモリ容量、バッテリー駆動時間、ディスプレイ品質、携帯性など、複数の要素を総合的に考慮して、自分のニーズに最適なモデルを選ぶことが大切です。
コストパフォーマンスを重視する場合はSteam Deck OLED、性能と拡張性を求める場合はASUS ROG Ally X、携帯性を最優先する場合はGPD WIN MINI 2025、最新技術を体験したい場合はMSI Claw 8 AI+など、用途に応じた選択が可能です。本記事で紹介した比較情報を参考に、あなたにぴったりのモバイルゲーミングPCを見つけてください。
モバイルゲーミングPC徹底比較:性能・携帯性・価格で選ぶをまとめました
モバイルゲーミングPC市場は、急速に進化し続けています。新しいプロセッサー技術、改善されたバッテリー性能、高品質なディスプレイなど、各メーカーが競い合って革新的な製品を開発しています。購入を検討する際は、自分のゲームプレイスタイル、予算、携帯性の優先度などを明確にした上で、複数のモデルを比較検討することをおすすめします。正しい選択により、どこでも快適にゲームを楽しむことができる、最高のモバイルゲーミング体験が実現できるでしょう。



