USB SSDの速度とは何か
USB SSDは、外付けストレージの中でも転送速度が特に優れた製品です。従来のHDDと比較すると、データの読み書きにおいて圧倒的な速度差があります。実際のテスト結果では、16.6GBの大容量ファイルを転送する場合、1,000MB/s以上の速度を持つSSDは平均26.68秒で完了するのに対し、1,000MB/s未満の製品では平均189.48秒かかることが確認されています。つまり、7倍以上の速度差が生じるということです。
ただし、1GB程度の小さなファイルの転送では、高速と低速の製品間で大きな違いが見られません。そのため、日常的に大容量ファイルを扱う作業が多いかどうかが、製品選びの重要なポイントとなります。
USB規格による速度の違い
USB SSDの速度は、採用されているUSB規格に大きく左右されます。現在市販されているポータブルSSDには、複数のUSB規格が存在し、それぞれ異なるデータ転送速度を実現しています。
USB 3.2 Gen1は信号速度5Gbpsで、データ転送速度は最大500MB/s程度です。一方、USB 3.2 Gen2はより高速で、実測値では読み込み1,000MB/s以上、書き込み900MB/s以上の性能を発揮する製品が多くあります。さらに最新のUSB 4規格を採用した製品では、読み込み速度3,000MB/s超、書き込み速度2,800MB/s超という驚異的な性能を実現しています。
USB規格が新しいほど理論上の最大速度は高くなりますが、実際の使用環境ではパソコンのUSBポートの対応状況も影響します。USB-Aポートしかないパソコンの場合、USB-Cポートの高速SSDを使用する際には変換ケーブルが必要になることもあります。
実測値で見るUSB SSDの性能
カタログに記載されたスペックと実際の使用時の速度は異なることがあります。複数の製品を実際にテストした結果、多くの製品がメーカー公称値を上回る速度を記録しています。
USB 3.2 Gen2接続の製品では、読み込み速度が平均1,040~1,060MB/s、書き込み速度が平均970~1,010MB/sという安定した性能が確認されています。これらの製品では、1GBの画像・動画ファイルは平均1.87~1.97秒で転送でき、16GB程度のゲームデータでも25~28秒程度で処理できます。
USB 4規格の最新製品では、読み込み速度3,100MB/s超、書き込み速度2,800MB/s超という実測値が報告されており、これは従来のUSB 3.2 Gen2製品の3倍近い速度です。ただし、このような超高速製品を活かすには、パソコン側もUSB 4に対応している必要があります。
容量による速度変化の検証
USB SSDを選ぶ際に見落としやすいポイントが、使用容量が増えると速度が低下するかどうかという点です。テスト結果によると、優れた製品では空き容量が100%の時と40%の時でほぼ同じ速度を維持します。具体的には、50GBのファイル書き込みで、空き容量100%時が約75秒、空き容量40%時が約78秒と、わずか3秒の差に留まっています。
一方、性能が劣る製品では、容量が減ると50秒近く速度が低下することもあります。長期間使用する予定がある場合は、容量が減っても速度が安定している製品を選ぶことが重要です。
主要なUSB SSD製品の速度比較
バッファロー SSD-PSTU3A
コインサイズの超小型設計でありながら、SATA SSD並みの性能を実現している製品です。連続読み込みテストでは500MB/sを超える速度を記録し、USBメモリとしては異例の高速性能を発揮します。容量は500GBから1TBまで選択可能で、持ち運びに最適なサイズながら実用的な速度を備えています。
連続書き込みテストでは、初期段階で約590MB/sの速度から始まり、キャッシュが満杯になると約72MB/sで安定します。このような特性は、大容量ファイルを一度に転送する場合には影響を受けやすいため、用途に応じた判断が必要です。
SKHynix Tube T31
スティック型SSDの中でもトップクラスの性能を持つ製品として評価されています。ベンチマークテストでは、カタログスペックを上回る速度を安定して記録し、写真コピーや大容量ファイルの転送でも最速クラスの性能を発揮します。
50GBのファイルコピーテストでは、空き容量が100%の時と40%の時でほぼ同じ速度を維持する安定性が確認されており、長期使用でも性能が低下しにくい設計となっています。
アイ・オー・データ機器 SSPM-US1K
ベンチマークテストで読み込み993MB/s、書き込み965MB/sを記録し、メーカー公称値を上回る実測速度を実現しています。スティック型SSDながら1TBの大容量オプションがあり、容量と速度のバランスが取れた製品として位置付けられています。
スライド式の端子設計により、キャップを紛失する心配がなく、日常的な持ち運びに適した構造になっています。
トランセンド TS1TESD410C
価格、転送速度、堅牢性の三つの要素がバランスよく備わった製品として評価されています。放熱性能が優れていることが特徴で、長時間の連続使用でも温度上昇を抑えることができます。
高い堅牢性により落下などの衝撃にも強く、モバイル用途での使用に適しています。1TB容量で安定した転送速度を実現し、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
USB 4対応の最新型SSD
最新のUSB 4規格に対応した製品では、読み込み速度3,100MB/s超、書き込み速度2,800MB/s超という圧倒的な性能を実現しています。これらの製品には、USB-C to USB-CケーブルとUSB-C to USB-Aケーブルの両方が付属することが多く、様々なパソコン環境に対応できます。
アルミ外装のヒートシンクを採用した製品もあり、高速データ転送時の発熱を効果的に放散します。ただし、このような超高速製品の性能を活かすには、パソコン側がUSB 4に対応していることが前提となります。
用途別のUSB SSD選びのポイント
USB SSDを選ぶ際には、自分の使用目的を明確にすることが重要です。大容量ファイルを頻繁に転送する作業が多い場合は、1,000MB/s以上の速度を持つ製品を選ぶことで、作業効率が大幅に向上します。
一方、1GB程度の小さなファイルの転送が主な用途であれば、500MB/s程度の速度でも実用上の問題はありません。この場合は、価格や携帯性を優先して選ぶことができます。
ビデオ編集やゲーム開発など、継続的に大容量データを扱う専門的な作業を行う場合は、USB 4対応の最新型製品を選ぶことで、作業時間を大幅に短縮できます。
持ち運びを重視する場合は、コインサイズの超小型製品も選択肢になります。これらの製品は500MB/s程度の速度を持ちながら、ポケットに入るサイズを実現しています。
USB SSDの温度管理と耐久性
高速なUSB SSDを選ぶ際には、温度管理機能も重要な要素です。高速データ転送時には発熱が増加するため、適切な放熱設計を持つ製品を選ぶことで、長期的な安定性が確保されます。
アルミ外装やヒートシンク機能を備えた製品は、発熱を効果的に放散し、パフォーマンスの低下を防ぎます。また、MIL-STD-810H規格に対応した製品は、落下や衝撃に対する耐久性が高く、モバイル用途での使用に適しています。
スライド式の端子設計を採用した製品は、キャップ式と異なり紛失の心配がなく、日常的な持ち運びに適しています。
接続方式による使い分け
USB SSDの接続方式には、USB-Aポートとの直接接続、USB-Cポートとの接続、そして変換ケーブルを使用した接続があります。USB-Cポート搭載のパソコンを使用している場合は、USB-C接続の製品を選ぶことで、ケーブルの煩雑さを避けられます。
一方、USB-Aポートしかないパソコンを使用している場合は、USB-C to USB-Aの変換ケーブルが付属している製品を選ぶことで、追加購入の手間を省けます。最新のUSB 4対応製品の多くは、両方のケーブルが付属しているため、様々な環境に対応できます。
実際の使用シーンでの速度体験
USB SSDの速度差は、実際の使用シーンでどのように感じられるのでしょうか。1GBの画像・動画ファイルの転送では、高速製品と低速製品の差はわずか数秒程度で、体感的な違いは小さいです。
しかし、16GB以上のゲームデータやビデオファイルの転送では、その差が顕著になります。1,000MB/s以上の製品なら25~28秒で完了するのに対し、500MB/s程度の製品では数分かかることになります。このような大容量ファイルを頻繁に扱う場合は、高速製品への投資が作業効率の向上につながります。
写真の一括コピーでは、1,000枚程度なら高速製品でも40~50秒程度かかります。ただし、複数回の転送作業を繰り返す場合は、時間の積み重ねで大きな差になります。
価格と性能のバランス
USB SSDの価格は、採用されているUSB規格と容量によって大きく異なります。USB 3.2 Gen2対応の1TB製品は、比較的手頃な価格で1,000MB/s超の速度を実現しており、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
USB 4対応の最新型製品は、より高い価格帯になりますが、3,000MB/s超の圧倒的な速度を実現しています。専門的な用途で大容量ファイルを頻繁に扱う場合は、この投資が作業時間の短縮につながり、長期的には経済的です。
超小型のコインサイズ製品は、携帯性を重視した設計のため、同じ容量の標準サイズ製品と比べて価格が高めに設定されていることがあります。持ち運びの頻度と速度のニーズを考慮して選ぶことが重要です。
複数のストレージを組み合わせた活用
USB SSDとHDDを併用することで、安心かつ効率的にデータを管理できます。高速なUSB SSDで日常的な作業用ファイルを保存し、大容量HDDで長期保存が必要なデータをバックアップするという使い分けが効果的です。
特に、ビデオ編集やゲーム開発などの専門的な作業では、作業用ファイルは高速SSDに保存して作業効率を高め、完成したプロジェクトは大容量HDDに保存するという方法が一般的です。
小型でそこまで転送速度が必要ない場合は、大容量のUSBメモリも選択肢になります。ただし、USBメモリはSSDと比べて速度が劣るため、大容量ファイルの転送には向きません。
まとめ
USB SSDの速度比較において、最も重要なのは自分の使用目的を明確にすることです。大容量ファイルを頻繁に扱う場合は1,000MB/s以上の製品を、小さなファイルの転送が主な用途なら500MB/s程度の製品でも十分です。USB 3.2 Gen2対応製品は実用的な速度とコストのバランスが取れており、USB 4対応製品は専門的な用途での投資価値があります。容量が減っても速度が安定している製品、放熱性能に優れた製品、堅牢性の高い製品など、複数の要素を総合的に判断して選ぶことで、長期的に満足できるUSB SSDを見つけることができます。
用途別に比較するUSB SSDの速度と選び方をまとめました
USB SSDの選択は、データ転送の効率性を大きく左右する重要な決定です。1,000MB/s以上の高速製品と500MB/s程度の標準製品では、大容量ファイルの転送で7倍以上の速度差が生じることが実証されています。USB 3.2 Gen2対応製品は読み込み1,000MB/s超、書き込み900MB/s超の安定した性能を発揮し、USB 4対応の最新型製品は3,000MB/s超の圧倒的な速度を実現しています。バッファロー、SKHynix、アイ・オー・データ機器、トランセンドなどのメーカーから、様々な容量とサイズの製品が提供されており、用途に応じた選択が可能です。容量が減っても速度が安定している製品、放熱性能に優れた製品、耐久性の高い製品など、複数の要素を考慮することで、自分のニーズに最適なUSB SSDを見つけることができます。



