電話対応の効率化や顧客満足度の向上を目指す企業にとって、コールセンターシステムの導入は重要な経営判断のひとつです。近年はクラウド型のサービスが増え、初期費用を抑えながら短期間で導入できる選択肢が広がっています。この記事では、コールセンターシステムの基本知識から選び方のポイント、そしておすすめのサービスまでをまとめて紹介します。
- クラウド型は初期費用を抑えられ、在宅勤務にも対応しやすい
- 自社の業務がインバウンド中心かアウトバウンド中心かで必要な機能が変わる
- 料金は月額1ユーザーあたり数千円〜1万円台が目安とされている
- CTI連携やIVR、通話録音など必須機能の有無を事前に確認しておきたい
- 導入前に無料トライアルやデモで操作感を確かめるのがおすすめ
コールセンターシステムとは
コールセンターシステムとは、電話応対を効率化するために使われる各種機能をまとめたシステムの総称です。中心となる技術はCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)と呼ばれ、電話とパソコンの情報を連携させることで、着信時に顧客情報を自動で画面表示したり、通話内容を記録したりすることができます。
CTIの主な役割
着信のたびに顧客情報をポップアップ表示する、通話履歴を自動で記録する、複数のオペレーターへ着信を自動で振り分けるなど、電話対応の負担を減らす仕組みが中心になっている。
近年はコールセンターシステム単体ではなく、CRM(顧客管理システム)やチャット対応ツールと連携できる製品も増えており、電話だけでなくメールやチャットを含めた複数チャネルの一元管理を実現するサービスも登場している。
クラウド型とオンプレミス型の違い
コールセンターシステムの提供形態は、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類がある。それぞれ特徴が異なるため、自社の規模や予算に合わせて選ぶことが大切だ。
クラウド型の特徴
専用の機器を自社に設置する必要がなく、インターネット環境さえあれば利用を開始できる。初期費用を抑えられるほか、席数の増減にも柔軟に対応しやすいとされている。
オンプレミス型の特徴
自社内にサーバーや設備を構築して運用する形態。初期投資はクラウド型より大きくなりやすいが、既存の社内システムと柔軟に連携させやすい、セキュリティ要件に応じたカスタマイズがしやすいといった点が評価されている。
一般的な傾向として、クラウド型は数十人規模までの中小企業やスピード導入を重視する企業に選ばれやすく、オンプレミス型は大規模なコールセンターや独自要件が多い企業で採用されるケースが多いといわれている。
失敗しない選び方のポイント
コールセンターシステムは製品によって得意分野が異なるため、いくつかの観点から比較検討することが欠かせない。
1. インバウンド対応かアウトバウンド対応か
問い合わせ対応が中心の業務では、着信を自動で振り分けるACDや、音声ガイダンスで案内するIVR、通話状況を見える化する通話モニタリング機能が重視される。一方、営業電話などアウトバウンド業務が中心の場合は、リストに沿って自動発信するオートコール機能やリスト管理機能が重要になる。
2. 料金体系の確認
クラウド型の月額費用は1ユーザーあたり数千円〜1万円台が目安とされている。初期費用が無料〜数十万円程度のプランもあり、必要な席数や機能の範囲によって金額の幅は大きく変わる。見積もりの際は、月額料金に含まれる機能範囲までしっかり確認しておきたい。
3. 既存システムとの連携
すでに利用しているCRMや顧客管理ツールがある場合は、連携可能かどうかを事前に確認すると、導入後の業務フローがスムーズになりやすい。
4. サポート体制
導入時の設定サポートや、トラブル発生時の問い合わせ対応の充実度も、長く安心して使い続けるうえで見落とせないポイントとされている。
コールセンターシステムおすすめ7選
ここでは、機能や特徴が異なる7つのコールセンターシステムを紹介する。自社の業務スタイルに合った製品を見つける参考にしてほしい。
Zendesk(Zendesk Talk)
世界的に利用されているカスタマーサポートツール群のひとつで、電話対応をAIで支援する機能が充実している点が特徴。通話内容の文字起こしや要約を自動で行う機能があり、対応履歴の振り返りにかかる手間を減らせる。メールやチャットなど複数チャネルを一元管理できるため、電話以外の窓口も持つ企業に向いている。
おすすめポイント
AIによる一次対応の自動化や要約機能で、対応品質の底上げがしやすいと評価されている。
BIZTEL
国内で長く提供されているクラウド型コールセンターシステムで、導入実績の多さが特徴のひとつとされている。通話録音やACD、レポート機能など基本機能が一通り揃っており、初めてコールセンターシステムを導入する企業でも扱いやすい設計になっている。
おすすめポイント
サポート体制が手厚いと評価されており、導入後の運用に不安がある企業でも相談しやすい。
MediaCalls
IP-PBXやCTI、ACD、通話録音といった機能を標準搭載したオールインワン型のクラウドシステム。特にインバウンド業務の効率化に強みがあり、着信対応の多いカスタマーサポート部門などで採用されるケースが多いとされている。
おすすめポイント
必要な機能が一通りそろっているため、追加のツールを組み合わせずにシンプルに運用したい企業に向いている。
BlueBeans
インバウンド・アウトバウンドの両方に対応したクラウド型システム。IVRやACDによる着信制御に加え、自動発信機能も備えており、問い合わせ対応と営業電話を同じ環境で運用したい企業に適している。
おすすめポイント
インバウンドとアウトバウンドを一元管理できるため、部署をまたいだ運用がしやすいと評価されている。
カイクラ
着信時に顧客の対応履歴や過去のやり取りを自動表示できる点が特徴のクラウド型システム。電話だけでなくSMSでのやり取りにも対応しており、顧客とのコミュニケーション履歴を一箇所にまとめて管理したい企業に向いている。
おすすめポイント
過去の対応履歴がすぐに確認できるため、担当者が変わっても対応品質を保ちやすいとされている。
Comdesk Lead
アウトバウンド業務に特化したCTIシステムで、リスト管理や発信効率を高める機能に強みがある。営業電話やテレアポを中心に行う企業から選ばれる傾向がある製品とされている。
おすすめポイント
発信業務の効率化に特化しているため、架電数を重視する営業チームとの相性がよいと評価されている。
楽テル
比較的低コストで導入しやすいクラウド型コールセンターシステムとして知られており、必要な機能を絞って利用できるプラン構成が特徴。中小規模のコールセンターや、これから電話対応の体制を整えたい企業に向いている。
おすすめポイント
コストを抑えつつ基本機能を揃えられる点が、初めて導入する企業から評価されている。
料金・特徴を比較表でチェック
ここまで紹介した7つのシステムの特徴を、比較表としてまとめた。導入検討の際の参考にしてほしい。
| サービス名 | 主な強み | 向いている業務 |
|---|---|---|
| Zendesk | AIによる要約・自動対応 | 複数チャネルのサポート業務 |
| BIZTEL | 導入実績とサポート体制 | 初めてのコールセンター運用 |
| MediaCalls | オールインワン機能 | インバウンド中心の業務 |
| BlueBeans | インバウンド・アウトバウンド両対応 | 問い合わせと営業電話の併用 |
| カイクラ | 対応履歴の自動表示 | 顧客対応履歴の一元管理 |
| Comdesk Lead | 発信効率の向上 | テレアポ・営業電話 |
| 楽テル | 低コストで導入しやすい | 中小規模のコールセンター |
料金は席数やオプション機能によって変動するため、正式な金額は各サービスへの問い合わせで確認するのが確実だ。
導入までの流れ
コールセンターシステムの導入は、一般的に次のような流れで進めることが多い。
導入の基本ステップ
1. 自社の課題と必要機能の洗い出し
2. 複数サービスの資料請求・比較
3. 無料トライアルやデモでの操作確認
4. 契約プランの選定と初期設定
5. 運用開始後の効果測定
特に無料トライアルを提供しているサービスも多いため、実際の操作感やオペレーターの使いやすさを事前に確かめてから本契約に進むと、導入後のミスマッチを防ぎやすい。
複数の部署で利用する場合は、現場のオペレーターにも実際に触ってもらい、操作性についての意見を集めておくと導入後の定着がスムーズになりやすい。
まとめ
コールセンターシステムは、電話対応の効率化だけでなく、顧客対応の質を底上げするための重要なインフラといえる。クラウド型は初期費用を抑えて導入しやすく、オンプレミス型は自社独自の要件に合わせやすいという特徴があるため、自社の規模や業務スタイルに合わせて選ぶことが大切だ。インバウンド中心かアウトバウンド中心か、既存システムとの連携が必要かといった観点から比較検討し、気になるサービスがあればまずは資料請求や無料トライアルから試してみるとよいだろう。
コールセンターシステムおすすめ7選をまとめました
今回紹介したZendesk、BIZTEL、MediaCalls、BlueBeans、カイクラ、Comdesk Lead、楽テルは、それぞれ得意とする業務スタイルが異なる。料金や機能だけでなく、サポート体制や既存システムとの連携のしやすさも含めて比較し、自社に合ったコールセンターシステムを選ぶことが、電話対応の効率化と顧客満足度の向上につながっていく。






