本記事では、キヤノンのRFマウント対応マクロレンズを中心に、Amazonや楽天で入手できるモデルをピックアップして比較します。用途別の選び方・撮影のコツ・アクセサリー情報まで網羅的に解説するので、これからマクロ撮影を始める方からステップアップしたい方まで参考になります。
はじめに:RFマクロレンズを選ぶ際に重視したいポイント
マクロ撮影で満足度を左右する主な要素は以下の通りです。
- 焦点距離:被写体との距離感や背景の圧縮感に影響します。近接で小さな被写体を撮るなら中望遠マクロ(90mm〜105mm前後)が扱いやすく、広めの画角で背景も活かしたい場合は35mm前後が向きます。
- 最大撮影倍率:被写体をどれだけ大きく写せるかを示す値で、1.0倍(等倍)に近いほど細部を捉えやすいです。
- 最短撮影距離:寄れるほど大きく写せますが、被写体との作業性(ライトや風の影響など)も考慮する必要があります。
- 手ブレ補正(IS)や防塵防滴性能:屋外や低速シャッターが必要な場面で有利です。
- サイズと重量:携帯性と機動性に直結します。軽量コンパクトなレンズはスナップ系マクロに便利です。
これらを踏まえ、実用性・携帯性・表現力のバランスが取れた製品を中心に比較していきます。
比較対象にしたレンズの選定基準
本記事では、以下の条件で商品を選定しました。
- Amazonや楽天で入手可能であること(流通実績がある商品)
- RFマウントの純正・サードパーティ含め、用途の異なる焦点距離を網羅すること
- 現行ラインナップや人気の高いモデルを中心に、実用的な選択肢を提示すること
以降で紹介する各モデルは、それぞれ特徴が異なるため用途に応じた最適解が見つかる構成にしています。
注目のRFマクロレンズ(製品別解説)
RF35mm F1.8 MACRO IS STM
特徴:広めの画角を持つ準広角マクロレンズで、軽量コンパクトな設計とハーフマクロ相当の寄りが可能な点が魅力です。風景や花、テーブルフォトなど背景を含めた描写が得意です。
こんな人に向く:携行性を重視したい旅行やスナップ主体の方、小物撮影で背景も活かしたい方に最適です。
長所:軽量で汎用性が高く、日常的に使いやすい点が挙げられます。描写バランスに優れ、単焦点らしいボケとシャープネスの両立が期待できます。
注意点:より大きな倍率(等倍)を求める本格的な昆虫撮影や微小被写体撮影では、撮影距離の確保やトリミングが必要になる場合があります。
RF50mm F1.8 STM(RF標準域で寄れるモデル)
特徴:標準域の画角で、使いやすさと価格のバランスが良いモデルです。ポートレートとマクロ寄りの撮影を兼用したい場合に便利です。
こんな人に向く:普段は標準レンズとして使い、たまに寄って撮りたいという方に向きます。
長所:持ち運びしやすく、日常撮影との両立がしやすいです。
注意点:本格的なマクロ倍率を期待する場合は、より専用のマクロレンズを検討してください。
RF85mm F2 マクロ IS STM
特徴:中望遠の画角で、被写体との距離を保ちながら寄れるため昆虫や小動物撮影に向く設計です。背景のボケを活かしやすく、ポートレートとの兼用にも適しています。
こんな人に向く:被写体に近づきにくいシーンでのマクロ撮影や、背景をしっかりぼかしたい方。
長所:被写体との距離を取りやすく、撮影しやすいのがメリットです。
注意点:画角が狭いため、風景寄りの構図には向きません。
RF100mm F2.8 L IS USM マクロ(プロ向け機材)
特徴:等倍(1.0倍)対応の本格派マクロレンズで、手ブレ補正や高い光学性能を備えています。植物や昆虫、商品撮影など高解像で細部を狙いたい用途に最適です。
こんな人に向く:プロやマクロ撮影を深めたい中上級者。高い描写性能と確かな操作感を求める方。
長所:等倍撮影が可能で、光学的な解像力やAF性能も優れているため、厳密なピントや繊細な描写が得られます。
注意点:高性能ゆえに重量や価格が上がる点に注意してください。
サードパーティのRF対応マクロ(選定例)
特徴:サードパーティからは、コストパフォーマンスを重視した製品が複数リリースされています。軽量で独自の特徴を持つモデルもあり、用途に応じた選択肢が広がります。
こんな人に向く:予算を抑えつつ高コスパでマクロ撮影を試したい方。
長所:価格対性能比が高く、目的に応じて賢く選べます。
注意点:純正に比べると防塵防滴やAFの安定感で差が出る場合があるため、レビューや実機チェックを推奨します。
用途別のおすすめ選び方(実践ガイド)
花やテーブルフォト:背景も活かしたい場合
花やフード、アクセサリーのような被写体は、背景の雰囲気も重要です。広めの画角(例:35mmクラス)は被写体と背景の関係を活かせるため、RF35mm F1.8 MACRO IS STMのようなレンズが使いやすいです。
昆虫・小動物:被写体に近づけない場面
被写体に近づけない状況では、焦点距離が長めの中望遠マクロ(85mm〜100mm)が有利です。被写体にダメージを与えずに撮影できるだけでなく、背景を大きくぼかせるため被写体が際立ちます。
商品撮影・科学観察:等倍が欲しい場合
製品撮影や精密な観察には等倍(1.0×)対応の100mmクラスのマクロが向きます。被写体を画面いっぱいにし、細部を厳密に評価できます。
携帯性重視の外出撮影
日常的に持ち歩くなら、軽量で汎用性の高い35mmや50mmクラスの準マクロレンズが便利です。小物からスナップまで一本でカバーしやすいのが利点です。
実践テクニック:RFマクロレンズで差がつく撮影術
- 被写体との距離管理:マクロでは数センチの差で被写界深度が大きく変わります。被写体に対して平行を保ち、ピント面を意図的に決めると良い結果が得られます。
- 絞りの使い分け:開放寄りで背景を大きくボカし、被写体だけを強調する表現と、絞って被写界深度を稼ぎ細部までシャープに写す表現の両方を試してみてください。
- ライティング:自然光に加え小型のLEDやリングライト、ディフューザーを活用すると陰影が整い、立体感が出ます。反射の強い被写体は角度や偏光フィルターで調整しましょう。
- 三脚とリモート操作:微小なブレが致命的になりやすいので、シャッターはリモートまたはセルフタイマーを使い、三脚で安定化を図るのがベターです。
- フォーカススタッキング:被写界深度が浅い場合は複数枚をピント位置を変えて撮影し、合成することで被写界深度を拡張できます。ソフトウェア処理により自然な深度拡張が可能です。
アクセサリーと役立つ周辺機材
マクロ撮影の完成度を上げる周辺機材を紹介します。
- リングライト/マクロ用LED:近接で均一な光を回せるため、陰影を抑えつつ質感を強調できます。
- 三脚(高さ調整が容易なモデル):低い位置での接写に対応するため、可変高さ・ローアングル対応の三脚が便利です。
- リモートケーブル/ワイヤレスリモコン:シャッターブレを防ぎます。
- ディフューザー・反射板:光の方向性や硬さをコントロールして印象を変えられます。
- マクロ用トレイやクランプ:被写体(花や小物)を固定するとブレや位置ずれを防げます。
価格帯と購入時のチェックポイント
RFマクロレンズは価格帯が幅広いため、購入前に重視するポイントを整理しましょう。
- 携帯性を重視するか(軽量な35mm/50mmクラス)
- 最大撮影倍率が必要か(等倍が必要なら100mmクラス)
- 防塵防滴やISの有無(屋外で多用する場合は重要)
- 将来的な用途拡張:ポートレートや風景も撮るか、マクロ専用かで選択が変わります。
実売価格は販売チャネルやキャンペーンで変動するため、Amazonや楽天でのレビューや販売状況を確認すると良いでしょう。
実写レビューに基づく評価ポイント(購入者レビューの傾向)
実際の購入者レビューから見える傾向は次の通りです。
- RF35mm F1.8系:軽さと万能性を評価する声が多く、携帯性が評価されています。
- RF85mm・100mmクラス:等倍・高解像を求めるユーザーから高評価で、花や昆虫、商品撮影での信頼性が高いです。
- コストパフォーマンス重視モデル:価格に対する描写の良さを評価する声が多い一方、防塵防滴やAFの安定感については注意点として挙げられます。
レビューを参考にする際は、評価の多さ・最近の投稿を中心に実際の作例を確認すると失敗が少なくなります。
よくある質問(Q&A)
Q:どの焦点距離が「万能」か?
A:万能という意味では、35mmクラスは汎用性が高く旅行や日常のマクロに便利です。等倍を重視するなら100mmクラスが優先されます。用途優先で選ぶと満足度が上がります。
Q:手持ちでマクロは撮れるか?
A:手持ちでも撮れますが、被写界深度が極めて浅いため三脚や手ブレ補正、十分な光量があると成功率が上がります。
Q:マクロ撮影でおすすめの設定は?
A:絞りは被写界深度に応じてF5.6〜F11あたりを基準にし、ISOは可能な限り抑えつつシャッタースピードを確保します。フォーカスはマニュアルで微調整すると精度が上がります。
作例で見る表現の違い(イメージ別の使い分け)
同じ被写体でもレンズによって表現が大きく変わります。以下はイメージ別の使い分け例です。
- 背景を活かしたドラマチックな一枚:35mmで近寄りつつ広めの背景を取り入れる。
- 被写体を浮かび上がらせるポートレート風マクロ:85mmで被写体を強調して背景をボカす。
- ディテールを正確に残す商品撮影:100mm等倍でピント面を厳密に合わせる。
購入後に試したい練習メニュー
レンズを手に入れたら、以下の練習を順に試して表現の幅を広げましょう。
- 被写界深度を変えて同じ被写体を複数撮影(絞りの違いを体感)
- 光源の位置を変えて質感の違いを確認
- 三脚+リモートでの安定撮影と手持ち撮影の比較
- フォーカススタッキングの実践(ソフトウェア合成)
まとめ
RFマクロレンズは焦点距離や最大撮影倍率、携帯性などによって用途が大きく変わります。日常のスナップ兼用ならRF35mm F1.8系、被写体から距離を保ってしっかり寄りたいならRF85mm〜100mmクラス、等倍で細部を狙うならRF100mmクラスが有力な選択肢です。購入時は実際の作例やレビューを確認し、撮影スタイルに合わせて機材を選びましょう。
RFマクロレンズ徹底比較|用途別の選び方と撮影コツをまとめました
本記事で紹介した内容を参考に、自分の撮影シーンにぴったり合うRFマクロレンズを見つけてください。まずは一台選び、練習を重ねることで表現の幅が広がります。良い撮影を!



