軽快に走れる一足を探していると、HOKAの中でも人気を二分する「リンコン3」と「クリフトン9」で迷う場面が多いはずです。どちらも雲の上のようなクッションで知られるブランドの代表格ですが、重さ・クッションの厚み・得意な走り方に明確な違いがあります。ここでは両モデルの特徴をフラットに並べ、自分に合う一足を選ぶための判断材料を整理します。
- リンコン3は片足約210g前後と非常に軽量。スピードを出す走りや短〜中距離が得意
- クリフトン9はミッドソールが厚くクッション豊富。長い距離やデイリートレーニングに向く
- ヒールドロップはどちらも約5mmで共通。乗り心地の方向性が近い兄弟モデル
- 価格はリンコン3の方が手に取りやすく、クリフトン9は耐久性と安定感に余裕がある
- 迷ったら「軽さ重視=リンコン3」「快適さと汎用性=クリフトン9」で選ぶと失敗しにくい
リンコン3とクリフトン9はどんな関係のモデル?
リンコンとクリフトンは、いずれもHOKAを象徴するクッション系のロードシューズです。クリフトンはブランドの「顔」と呼ばれる定番で、ふかふかとした接地感と幅広いランナーへの対応力で長く支持されてきました。一方のリンコンは「クリフトンの良さを残しつつ、とにかく軽くした弟分」という位置づけで誕生したモデルです。
つまり両者は対立する存在ではなく、同じ系統の中で役割が分かれていると考えると分かりやすくなります。クリフトンで培われた厚底の心地よさをベースに、軽さを突き詰めたのがリンコン、快適性と安定感を厚みで支えるのがクリフトン、という関係です。
どちらも「厚底だけどフワフワしすぎない、転がるような前への推進」を感じやすい設計です。HOKA独特のメタロッカー(船底のように丸みを帯びた形状)が、足を自然に前へ運んでくれます。
スペックを並べて違いを整理
細かな数値はサイズや計測条件で前後しますが、両モデルのおおまかな傾向は次の通りです。実物選びの目安として参考にしてください。
| 項目 | リンコン3 | クリフトン9 |
|---|---|---|
| 重さ(目安・メンズ) | 約210g前後と軽量 | 約248g前後 |
| クッションの厚み | 中程度・地面が近い感覚 | 厚め・ふかふか感が強い |
| ヒールドロップ | 約5mm | 約5mm |
| 得意な距離・用途 | 短〜中距離・スピード練習 | 長距離・毎日のジョグ・普段履き |
| アッパー | 通気性重視の薄手メッシュ | ホールド感のある作り |
| 価格帯の傾向 | 手に取りやすい | やや上だが余裕のある作り |
数字だけ見ると「軽い=良い」と思いがちですが、実際は走る距離と頻度で最適解が変わります。短い距離を速く走るなら軽さ、長い距離を快適にこなすなら厚みが効いてきます。
リンコン3(RINCON 3)
リンコン3は、HOKAのラインナップの中でも屈指の軽さを誇るモデルです。片足およそ210g前後という軽量さは、足の回転を妨げにくく、テンポを上げた走りで真価を発揮します。「片足218gでベストシューズに選ばれた」と評価されたこともあり、軽快さを求めるランナーから根強い人気があります。
3代目となるこのモデルでは、アシンメトリー(左右非対称)のタンや細めのプルタブ、通気性に優れたベンテッドメッシュのアッパーを採用し、軽さと足あたりのよさを両立させています。クッションは厚すぎず、地面の感触を程よく感じられるため、「厚底だけど接地が分かりにくいのは苦手」という人にもなじみやすい一足です。
- スピード練習やビルドアップなど、テンポを上げる走りをしたい
- とにかく軽い一足で足の運びを軽快にしたい
- 5km〜ハーフ程度の距離をきびきび走りたい
- 価格を抑えつつHOKAらしい走り心地を体験したい
軽量モデルは構造がシンプルな分、路面の情報がダイレクトに伝わりやすいのも魅力です。レース用のカーボンシューズほど尖っていないので、普段の練習からポイント練習まで幅広く活躍します。スピードを出して走ること自体に楽しさを感じる人にとっては、相棒になりやすいモデルです。
クリフトン9(CLIFTON 9)
クリフトン9は、HOKAを代表する定番デイリートレーナーの9代目です。シリーズの中でもこの世代はミッドソールが刷新され、新フォーム「CMEVA」を採用。厚みが前作より約3mm増したことで、これまで以上にクッション性に余裕が生まれました。「雲の上を歩くような」と評される接地感は健在で、長い距離でも脚への負担を感じにくいと評価されています。
アウトソールには耐摩耗性に配慮したラバーが使われ、デイリーで履き込む使い方とも相性が良好です。クッションが厚い分、リンコン3よりもわずかに重さは増しますが、その重さは安定感と快適さとして返ってきます。ホールド感のあるアッパーで足をしっかり包み込み、ゆったりとしたペースのジョグから普段履きまで対応できる懐の深さが魅力です。
- これからランニングを始める、または再開する
- 毎日のジョグや長い距離を快適にこなしたい
- クッションは厚めで、脚にやさしい乗り心地が好み
- ランだけでなく通勤・立ち仕事・旅行など普段使いも兼ねたい
初めての一足としてもおすすめしやすく、「迷ったらクリフトン」と言われるほどの安定した評価を得ています。1足を幅広い用途で長く使いたいなら、汎用性の高さは大きな安心材料になります。
重さ・軽さの違いをどう考える?
両モデルの最も分かりやすい違いが重量です。リンコン3はクリフトン9よりも軽く、足を素早く前に運びたい場面で恩恵があります。一方クリフトン9は数十グラム重いものの、その差は厚いクッションと引き換えであり、長時間履いたときの快適さにつながっています。
短い距離をきびきび走るなら軽さが武器になり、長い距離をゆったり走るならクッションの余裕が効いてきます。「速く・短く」ならリンコン3、「快適に・長く」ならクリフトン9と覚えておくと選びやすくなります。
軽いシューズはテンポを上げやすい反面、クッションが薄めなので、長距離では脚の使い方が問われます。逆に厚いクッションは快適ですが、重さがわずかに増えます。どちらが優れているという話ではなく、目的との相性で選ぶのが正解です。
クッション・履き心地の違い
クリフトン9はミッドソールが厚く、足を着いた瞬間の沈み込みと反発の余韻が大きいタイプです。長い距離でも接地のたびの衝撃をやわらげてくれるため、脚を守りながら走りたい人に向いています。
リンコン3はクッションを残しつつも、より地面に近い軽快な接地感が特徴です。フワフワしすぎないため、自分の足で蹴り出している感覚を保ちやすく、スピードを乗せやすいのが利点です。同じHOKAでも「包まれる快適さ」のクリフトン、「弾むような軽快さ」のリンコン、と方向性が分かれます。
用途・走力別の選び方
どちらを選ぶか迷ったら、自分の使い方をイメージしてみましょう。
- ランニングを始めたばかり → クッションに余裕のあるクリフトン9が安心
- 毎日ジョグを積み重ねたい → 耐久性と快適さのクリフトン9
- スピード練習やテンポ走を入れたい → 軽快なリンコン3
- ハーフまでの距離を速く走りたい → リンコン3が軽快
- 1足で練習も普段履きも兼ねたい → 汎用性の高いクリフトン9
- 2足目に役割の違う一足が欲しい → 持っていない方を足すと使い分けが広がる
ある程度走り込む人なら、ジョグ・長距離はクリフトン9、ポイント練習はリンコン3という使い分けが定番です。役割を分けるとそれぞれの寿命も延びやすく、走りのメリハリも付けやすくなります。
サイズ感・フィットについて
HOKAは全体的に標準的なフィット感とされますが、足幅や甲の高さには個人差があります。リンコン3は薄手のメッシュで軽快な履き心地、クリフトン9はホールド感のある作りで包み込まれるようなフィットが得られます。可能であれば実際に試し履きをして、つま先に適度なゆとりがあるかを確認すると失敗しにくくなります。
- 普段履く厚さの靴下で試す
- かかとが浮かず、つま先に少し余裕があるか
- 走る距離・頻度・路面をイメージして用途を絞る
購入時の上手な探し方
リンコン3もクリフトン9も人気モデルのため、大手通販サイトで幅広いカラーとサイズが流通しています。サイズ欠けが起きやすい人気カラーは早めにチェックしておくと安心です。世代が新しいモデルが出ると旧世代が手に取りやすい価格になることもあるため、用途が合えば前世代を狙うのも賢い選び方です。
- サイズはメーカーやモデルで微妙に異なるので、レビューの「サイズ感」コメントも参考にする
- 用途が決まっているなら、軽さか快適さかで先に方向性を絞る
- 1足で幅広く使うか、役割で2足に分けるかを最初に考える
まとめ
リンコン3とクリフトン9は、同じHOKAの厚底系ロードシューズでありながら、軽さで攻めるリンコン3とクッションで快適に支えるクリフトン9という明確な役割の違いがあります。ドロップは共通で乗り味の方向性は近いため、決め手になるのは「どんな距離を、どんなペースで、どれくらいの頻度で走るか」です。スピードと軽快さを楽しみたいならリンコン3、快適さと汎用性を重視するならクリフトン9を選べば、満足度の高い一足になりやすいでしょう。
HOKAリンコン3とクリフトン9の違いを整理|選び方のポイント
軽さ重視ならリンコン3、クッションと汎用性重視ならクリフトン9——これが選び分けの基本軸です。両モデルとも完成度が高く、用途さえはっきりすれば外れにくい組み合わせです。自分の走りに合う方を選び、必要に応じて2足を使い分ければ、日々のランがより快適で楽しいものになります。まずは試し履きで足あたりを確かめ、目的に合った一足を見つけてください。





