この記事のポイント
- Raspberry Piには性能重視の「5」、コスパ重視の「4」、超小型の「Zero 2 W」などモデルごとに個性がある
- 用途(学習・電子工作・サーバー用途・省スペース設置など)で選ぶべきモデルが変わる
- 最新モデルの「Raspberry Pi 5」は処理性能が大きく向上した一方、冷却対策が重要になる
- 初めての1台なら「Raspberry Pi 5(4GBモデル)」がバランス面でおすすめ
- スターターキットを選べば、ケースや電源、SDカードをまとめて揃えられる
手のひらサイズで動く小型コンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」は、プログラミング学習から自宅サーバー、電子工作、IoT機器の開発まで幅広く活用されている人気アイテムです。モデルの種類が多く、性能・サイズ・価格もさまざまなため、「どれを選べばいいかわからない」という声も少なくありません。この記事では、現行のRaspberry Piシリーズの特徴を比較しながら、用途別におすすめのモデルを紹介します。
Raspberry Piとは?比較する前に知っておきたい基礎知識
Raspberry Piは、名刺サイズほどの基板にCPU・メモリ・USBポート・映像出力端子などが集約されたシングルボードコンピューターです。専用のOS(Raspberry Pi OS)を書き込んだmicroSDカードを挿し、電源とディスプレイ・キーボードをつなぐだけでパソコンのように動作します。
ラインナップは大きく分けて、標準サイズの「Raspberry Pi」シリーズ、より小型な「Zero」シリーズ、キーボード一体型の「Raspberry Pi 400」、そしてマイコンボードの「Raspberry Pi Pico」シリーズの4系統に分かれます。それぞれ得意分野が異なるため、比較するときは「性能」だけでなく「用途との相性」を意識することが大切です。
知っておきたいポイント
Raspberry Piは基板単体で販売されているケースが多く、実際に使うにはケース・電源アダプター・microSDカード・冷却ファンなどの周辺機器が別途必要になります。初心者はこれらがセットになった「スターターキット」を選ぶと準備の手間が省けます。
モデル比較で押さえておきたい5つの視点
Raspberry Piシリーズを比較する際は、以下の5つのポイントを軸にすると選びやすくなります。
- 処理性能:CPUのコア数・クロック周波数。動画編集や複数アプリの同時起動を想定するなら性能重視で選ぶ
- メモリ容量:2GB〜16GBまで幅広い。用途に応じて必要な容量が変わる
- 通信機能:有線LAN(Gigabit Ethernet)の有無、無線LANの周波数帯(2.4GHz/5GHz)
- サイズ・省電力性:設置スペースが限られる場合や電池駆動を検討する場合に重要
- 価格・付属品:本体価格に加えて、必要な周辺機器の総額で比較する
注意点
最新モデルの「Raspberry Pi 5」は処理性能が大きく向上した分、動作時の発熱も増えています。長時間の稼働を想定する場合は、アクティブクーリング(ファン付きの冷却装置)の使用が推奨されています。
主要モデルの比較表
| モデル | 主なメモリ | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| Raspberry Pi 5 | 4GB/8GB/16GB | 歴代最高クラスの処理性能 | 本格的な開発・多用途利用 |
| Raspberry Pi 4 Model B | 2GB/4GB/8GB | 冷却不要で扱いやすい定番機 | 学習用途・軽めのサーバー用途 |
| Raspberry Pi Zero 2 W | 512MB | 手のひらサイズ・省電力 | 省スペース設置・組み込み用途 |
| Raspberry Pi 400 | 4GB | キーボード一体型 | すぐにパソコン感覚で使いたい人 |
| Raspberry Pi Pico 2 | 520KB SRAM | 超小型・低価格なマイコンボード | 簡単な電子工作の入門用 |
Raspberry Piおすすめ6選
ここからは、用途別に選びやすいモデルを6つ紹介します。それぞれの特徴を踏まえて、自分の使い方に合った1台を見つけてみてください。
Raspberry Pi 5(8GBモデル)
現行シリーズの中で最も処理性能が高いモデルです。クアッドコアCPUと強化されたGPUを搭載し、従来モデルに比べて数倍のマルチタスク性能を発揮すると評価されています。複数のアプリケーションを同時に動かしたり、動画のデコード処理を伴う用途にも余裕を持って対応できます。
メモリを大きく使うプロジェクトや、将来的に用途を広げたい人には8GBモデルが安心です。ただし発熱量が大きいため、アクティブクーリングファン付きのケースとの組み合わせが推奨されています。有線LAN・デュアルバンド無線LANの両方に対応しており、通信性能も高い水準です。
Raspberry Pi 5(4GBモデル)
価格と性能のバランスが良い、初めての1台に選びやすいモデルです。一般的なプログラミング学習や、Webブラウジング、簡単な電子工作程度であれば4GBメモリで十分対応できると評価されています。
8GBモデルとの価格差を考えると、まずは4GBモデルで使い始めて、必要になったタイミングで上位モデルを検討するという選び方も合理的です。冷却ファンや公式ケースとセットになったスターターキットも多数展開されており、初心者でも周辺機器選びに迷いにくいのが魅力です。
Raspberry Pi 4 Model B
一世代前のモデルながら、今なお根強い人気を誇る定番機です。Raspberry Pi 5に比べると価格が抑えられており、アクティブな冷却ファンがなくても安定して動作させやすい点が支持されています。
プログラミング学習用の教材や、簡易的なファイルサーバー、レトロゲームエミュレーターなど、負荷がそこまで大きくない用途であれば十分な性能を発揮します。長年販売されている分、対応する解説記事や周辺機器の情報が豊富にあるのも安心材料のひとつです。
Raspberry Pi Zero 2 W
手のひらに収まる超小型サイズと省電力性が最大の魅力のモデルです。旧モデルのZero Wと比べてクアッドコア化により処理性能が大きく向上したと評価されており、単純な単機能デバイスとしてだけでなく、軽量なプログラムの実行にも対応しやすくなりました。
無線LANはWi-Fi(2.4GHz帯)のみに対応し、有線LANポートは搭載されていません。そのため大容量データの転送よりも、センサー情報の収集や監視カメラ、常時起動させておく小型デバイスとしての用途に向いています。設置スペースが限られる棚の裏や機器の内部に組み込みたい場合にも扱いやすいサイズです。
Raspberry Pi 400
キーボードの中に基板を内蔵した一体型デザインが特徴のモデルです。HDMIケーブルでディスプレイに接続し、マウスをつなげばすぐにパソコンのような感覚で使い始められます。
ケーブル類がすっきりまとまるため、家族で共有するリビング学習用や、子どものプログラミング学習用の1台としても選びやすいのがポイントです。基板がむき出しにならないため、組み立てに不安がある初心者にも扱いやすいモデルといえます。
Raspberry Pi Pico 2
これまで紹介したモデルとは異なり、OSを動かさないマイコンボードです。非常に小型で価格も手頃なため、LEDの点灯やセンサーの読み取りといったシンプルな電子工作の入門用として選ばれています。
本格的なパソコンとしての用途には向きませんが、電子工作をこれから始めたい人にとっては、失敗を恐れずに気軽に試せる価格帯である点が大きなメリットです。複数個まとめて購入し、作品ごとに使い分けるという楽しみ方もできます。
用途別の選び方
目的別おすすめの目安
- これから電子工作やプログラミングを学びたい:Raspberry Pi 5(4GBモデル)または Raspberry Pi 400
- 自宅サーバーやメディアサーバーを構築したい:Raspberry Pi 5(8GBモデル)
- センサーや監視用途で常時稼働させたい:Raspberry Pi Zero 2 W
- とにかく安く電子工作を始めたい:Raspberry Pi Pico 2
- コストを抑えつつ標準的な使い方をしたい:Raspberry Pi 4 Model B
用途がはっきり決まっていない場合は、拡張性の高いRaspberry Pi 5(4GBモデル)から始めるのが無難です。慣れてきてから、専用用途向けにZero 2 WやPicoシリーズを買い足していくという使い方をしている人も多いと評価されています。
購入前に知っておきたい注意点
本体だけでは動かせない
Raspberry Piは基板単体で販売されていることが多く、電源アダプター・microSDカード・ケースなどが別途必要です。初めて購入する場合は、これらが一式そろったスターターキットを選ぶと準備がスムーズです。
電源の規格に注意
Raspberry Pi 4以降のモデルはUSB Type-C給電に対応していますが、必要な電力量がモデルごとに異なります。特にRaspberry Pi 5は高出力の電源アダプターが推奨されているため、対応表示のある製品を選ぶと安心です。
OSのセットアップ方法
公式ツールを使えば、パソコンからmicroSDカードにOSを書き込むだけで準備が完了します。あらかじめOSが書き込み済みのSDカードが付属するキットを選べば、より手軽にセットアップできます。
まとめ
Raspberry Piシリーズは、性能重視の「Raspberry Pi 5」、コストと扱いやすさのバランスが良い「Raspberry Pi 4 Model B」、超小型・省電力の「Raspberry Pi Zero 2 W」、キーボード一体型の「Raspberry Pi 400」、電子工作入門向けの「Raspberry Pi Pico 2」など、それぞれ異なる強みを持っています。まずは自分がどんな用途で使いたいのかを整理したうえで、性能・サイズ・価格のバランスを比較しながら選ぶことが、失敗しない選び方につながります。初めての1台に迷ったら、拡張性が高く扱いやすいRaspberry Pi 5(4GBモデル)から検討してみるのがおすすめです。
Raspberry Piおすすめ6選|モデル別の違いと選び方をまとめました
この記事では、Raspberry Pi 5・4 Model B・Zero 2 W・400・Pico 2という6つのモデルを比較しながら、それぞれの特徴と向いている用途を紹介しました。処理性能を重視するなら上位のRaspberry Pi 5、省スペース・省電力を重視するならZero 2 W、電子工作の入門にはPico 2というように、目的に合わせて選ぶモデルを変えることで、無駄なく自分に合った1台を見つけられます。周辺機器がセットになったスターターキットを活用すれば、初めてでも準備に迷うことなくスムーズに使い始められるでしょう。








