秋の夜長やリラックスタイムのお供に、ジャズを聴いてみたいと思ったことはないだろうか。とはいえ「誰から聴けばいいのか分からない」「名前は聞いたことがあるけれど違いが分からない」という声は多い。この記事では、ジャズの歴史を彩ってきた人気アーティストを厳選し、それぞれの代表作となるCD・レコードを紹介しながらランキング形式で整理した。
この記事でわかること
- ジャズ入門におすすめのアーティスト7組とその代表作
- アーティストごとの音楽性の違いと聴きどころ
- CD・レコードを選ぶときのチェックポイント
- シーン別(作業用・リラックス用など)のおすすめの聴き方
- 購入前に知っておきたい注意点
ジャズアーティストランキングを見る前に知っておきたいポイント
ジャズは1920年代から現在まで、実に100年近い歴史を持つジャンルだ。スウィング、ビバップ、モードジャズ、フュージョンなど時代ごとに音楽性が大きく変化しているため、「どの時代のどんな音を求めているか」によっておすすめのアーティストが変わってくる。
知っておきたいこと
初めてジャズを聴く場合、いきなり実験色の強い作品を選んでしまうと「難しい」という印象で終わってしまいがちだ。まずはメロディが分かりやすく、聴きやすいとされる作品から入るのが挫折しないコツとされている。
今回のランキングでは、ジャズの歴史の中でも特に評価が高く、CDやレコードとして現在も手に入りやすい作品を中心に、聴きやすさとジャンルのバランスを意識して7組を選んだ。
ジャズアーティストランキング7選
それぞれのアーティストの代表作を、聴きやすさや個性とあわせて紹介する。
1位:マイルス・デイヴィス『Kind of Blue』
モードジャズの入り口として評価される一枚
トランペット奏者マイルス・デイヴィスが1959年に発表した『Kind of Blue』は、ジャズ史上もっとも聴かれてきた作品の一つとされている。それまで主流だったコード進行主体の演奏ではなく、少ないスケール(音階)の中で自由に即興を展開する「モード奏法」を打ち出した点が革新的だったと評価されている。収録曲「So What」は、ジャズを知らない人でも耳にしたことがあるほど広く知られたメロディだ。派手さよりも静かな余韻を楽しみたい人に向いている一枚として、CD・レコードともに定番の人気を保っている。
2位:ジョン・コルトレーン『A Love Supreme』
力強いサックスが印象的な一枚
サックス奏者ジョン・コルトレーンが1965年に発表した『A Love Supreme』は、精神性の高さと演奏の熱量の両方で高く評価されている作品だ。全4部構成の組曲になっており、じっくり通しで聴くことで物語のような展開を味わえる。マイルス・デイヴィスの作品よりも情熱的でエネルギッシュな音を求める人におすすめとされ、ジャズ経験者からの支持も厚い一枚だ。
3位:デューク・エリントン『Ellington at Newport』
ビッグバンド編成の魅力が詰まった一枚
作曲家・バンドリーダーとして20世紀の音楽全体に大きな影響を与えたとされるデューク・エリントン。大人数のオーケストラが一体となって鳴らすビッグバンドサウンドは、少人数編成のジャズとはまた違った迫力がある。1956年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ盤は、観客の熱気ごと収録された臨場感が魅力とされ、ジャズを「体験」として楽しみたい人にぴったりの一枚だ。
4位:エラ・フィッツジェラルド『Ella and Louis』
ボーカルジャズの入り口に選ばれやすい一枚
「女性ジャズヴォーカリストの代表格」として名前が挙がることが多いエラ・フィッツジェラルド。透明感のある歌声と正確な音程が持ち味とされ、トランペット奏者ルイ・アームストロングとの共演盤『Ella and Louis』は、二人の掛け合いが楽しい一枚として親しまれている。楽器の演奏だけでなく歌を軸にジャズを楽しみたい人に向いている作品だ。
5位:ビル・エヴァンス『Waltz for Debby』
ピアノトリオの繊細さが光る一枚
ピアニストのビル・エヴァンスは、マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』にも参加していたことで知られる。自身のトリオ名義での『Waltz for Debby』は、ピアノ・ベース・ドラムという少人数編成ならではの繊細な間(ま)の美しさが評価されている一枚だ。カフェで流れているような穏やかな雰囲気を求める人には、まずこの作品から聴くことがすすめられている。
6位:カウント・ベイシー『The Atomic Mr. Basie』
スイング感の強さが特徴の一枚
ビッグバンドの名手として知られるカウント・ベイシー。歯切れのよいピアノと分厚いホーンセクションが生み出すグルーヴ感は、体を自然に動かしたくなるような楽しさがあると評価されている。しっとりとしたバラード系のジャズとは違い、明るく前向きな気分になりたいときに選ばれやすい一枚だ。
7位:デイヴ・ブルーベック『Time Out』
変拍子の面白さを味わえる一枚
ピアニスト、デイヴ・ブルーベックが1959年に発表した『Time Out』は、5拍子や9拍子といった変則的なリズムを取り入れた実験的な作品だ。中でも「Take Five」は、複雑な拍子でありながら親しみやすいメロディで、ジャズに詳しくない人でも耳に残りやすいとされている。少し変わった切り口からジャズに触れてみたい人におすすめの一枚だ。
ジャズアーティスト・作品の選び方
ここまで紹介した7組はいずれも評価の高い定番アーティストだが、目的やシーンによって選び方を変えるとより楽しみやすい。
| シーン | おすすめアーティスト | 特徴 |
|---|---|---|
| 作業・読書のお供に | マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス | 静かで邪魔にならない旋律 |
| 気分を上げたいとき | カウント・ベイシー、デューク・エリントン | スイング感のある明るいサウンド |
| 歌を楽しみたいとき | エラ・フィッツジェラルド | 澄んだ歌声とスタンダード曲 |
| じっくり集中して聴きたいとき | ジョン・コルトレーン | 熱量の高い演奏と構成美 |
| 新しい発見を楽しみたいとき | デイヴ・ブルーベック | 変拍子など実験的な要素 |
選び方のコツ
最初の1枚は「有名曲が1曲でも入っているか」を基準に選ぶと、聴き通しやすいとされている。気に入った1枚から同じアーティストの別作品、あるいは共演しているミュージシャンの作品へと広げていくと、無理なくジャズの世界を楽しめる。
CD・レコードを購入するときの注意点
ジャズの名盤は、通常盤のCDのほか、リマスター盤や高音質仕様のレコードとして再発売されていることが多い。同じタイトルでも音質や収録内容が異なる場合があるため、購入前に商品説明をよく確認しておくと安心だ。
知っておきたいこと
レコードで聴く場合は再生機器(プレーヤーやスピーカー)との相性も重要になる。まずはCDやサブスクリプションで気に入った作品を確認してから、レコード盤の購入を検討するという流れもおすすめだ。
また、同じアーティストでも「スタジオ盤」と「ライブ盤」では雰囲気が大きく異なる。落ち着いた音を求めるならスタジオ盤、臨場感を求めるならライブ盤という基準で選ぶと失敗が少ない。
意外な盲点
再発盤には解説書(ライナーノーツ)が付属していることが多く、作品の背景を知る手がかりになる。日本盤には日本語訳が付いていることが多いため、初めての1枚は日本盤を選ぶという方法もある。
まとめ
ジャズは時代やアーティストによって驚くほど表情が変わる音楽ジャンルだ。今回紹介した7組は、いずれも長年にわたり評価されてきた定番中の定番であり、どこから聴いても大きく外れることはない。まずは気になる1枚を手に取り、そこから自分の好みに合うアーティストを広げていくことで、ジャズの奥深さをより楽しめるはずだ。
ジャズアーティストランキング7選|名盤CD・レコードで聴き比べをまとめました
マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、デューク・エリントン、エラ・フィッツジェラルド、ビル・エヴァンス、カウント・ベイシー、デイヴ・ブルーベックの7組は、それぞれ異なる魅力を持ちながらも、いずれもジャズの歴史に欠かせない存在として評価されている。作業のお供にしたいのか、じっくり向き合って聴きたいのかなど、自分が求めるシーンに合わせて選べば、CD・レコードどちらの形でも長く楽しめる一枚に出会えるだろう。












